トップ住宅営業マンがやっているお客様のタイプ別接客法とは?
苦手なお客様タイプ、得意なお客様タイプありませんか?
大事な初回接客で、うまくお客様と打ち解けることができず、次に続かないことはありませんか?
トップ住宅営業マンは、お客様をタイプ別に分けてそれぞれ対応を分けることにより、お客様と早期に打ち解け心をつかんでいます。
今回はこのお客様のタイプ別接客法をご説明します。
お客様のタイプ分け「ソーシャルスタイル理論」
人と会ったとき、すぐにその人を主観で判断しがちです。「真面目」「明るい」「冷たい」などの形容詞でその人を感じます。さらに、「信用できる」「好きだ」「苦手だ」と判断します。
しかし、そうした判断は誤りを含んでいる場合があります。誤った判断で行動してしまうと、人間関係を構築するにあたりマイナスの効果を生んでしまいます。
そこで、お客様の行動を客観的に観察し、行動傾向から4つのタイプに分類し、スムーズなコミュニケーションを行うための基礎とします。この4つのタイプを「ソーシャルスタイル」と呼び、これを利用したコミュニケーション理論を「ソーシャルスタイル理論」といいます。
このソーシャルスタイル理論を使って、お客様の行動を観察すれば、お客様のソーシャルスタイルがわかります。そしてそれぞれの特徴を理解すれば、お客様が望んでいることや次の行動を予測することもできます。
また、どうすれば喜ぶのかもわかりますから、お客様の満足する行動をとりやすくなります。結果、信頼される人間関係を作りやすくなります。苦手なお客様へも適切な行動がとれるようになります。
ソーシャルスタイルは次の4つに分類します。
- ドライビング
- アナリティカル
- エクスプレッシブ
- エミアブル
それでは具体的に、それぞれのソーシャルスタイルの特徴と、対応方法を解説していきます。
ドライビング
行動型
- 行動力と感情表現の抑制が結びついた人。活動的で力強い。何でも「今すぐやろう」と性急に物事を進める傾向。
- 人の考えや意見を否定的に受け止める傾向があり、素早く決定し、自分が望むように進まないといらだちを感じます。
- 感情表現を抑えることから、冷静で、時として用心深く、超然としているように見えます。人とは真面目にビジネスライクに付き合う傾向があります。
会社の社長さんなどに多いタイプです。価値観が明確で、自分で物事を決める人です。
戦国武将でイメージするなら、織田信長タイプでしょうか。
ドライビングのお客様への対応
・接し方:冷静で自立心が強く負けず嫌い
①ビジネスライクに接する。
ドライビングのお客様に世間話はいりません。目的があって話しているので、目的外の話は無駄だと考えています。
②具体的な質問をする。
抽象的な質問は質問の意図がわからず、イライラさせてしまいます。
③論理的に話す。
まず結論から話すようにしましょう。そうしないと「それで何がいいたいの?」となってしまいます。ドライビングのお客様と話す際はPREP(プレップ)法を意識した話し方が有効です。
Point :要点(結論・主張)
Reason :理由(結論にいたった理由・そう主張する理由)
Example:具体例(理由に説得力を持たせるための事例・データ・状況)
Point :要点(結論・主張)
④相手の考えや行動を支持する。
明確な考えをもった人が多いです。その考えや行動を否定してはいけません。「おっしゃるとおりです。」などの受け答えはとても効果的です。
・時間の使い方:時間に厳しく、無駄がなく、ペースが速い
①商談の事前準備をし無駄な話をしない。
商談前に、「今日の打ち合わせ内容はこのような項目です」などとアウトラインを示すのも効果的。
②目標を尊重し効率的に時間を使う。
①との組み合わせで、商談前に「このような内容で1時間ほどご説明しようと考えております。お時間大丈夫でしょうか?」
③スピーディーに仕事を進める。
商談中に待たせたりしない。もらった宿題などはなるべく早く対応する。お客様の想定より早く動くことが重要。
・意思決定の方法:事実に基づき論理的に考える。リスクを伴った決定を
①事実とデータを提供する。
不必要なデータは要りません。
②複数の提案をする。
自身で決めたいと思っているので、複数の提案から選んでいただくことが効果的。
③成功の可能性を強調する。
リスクまでしっかりと説明。そのうえで成功の可能性を強調。
④お客様に決定させる。
お願いは効かないお客様です。キャンペーンなどには弱い側面もあります。また、上司の同行なども効果的です。
ドライビングまとめ
決断までの期間が短く、気に入っていただければ新人営業マンでも契約がとりやすいお客様です。短いセンテンスでハキハキと接客しましょう。
アナリティカル
分析型
- 人の意見を聞く傾向があり、感情表現は抑え気味の態度をとります。事実を集め、データを検討して慎重に考える傾向があります。
- 用心深く慎重で、物事を進める時は十分に計画を練る傾向があります。
- 深く考え、慎重なので、正確さにこだわります。論理的に考える傾向が強く、時には批判的にも見えます。
- すべての事実を集めてから決定を下そうとするので、意思決定が遅れることもあります。
じっくり型のタイプです。一見つまらなさそうに見えますが、楽しんでいたり。寡黙な方が多いです。
戦国武将でイメージするなら 、明智光秀タイプです。
アナリティカルのお客様への対応
・接し方: 控えめでビジネスライク。納得すれば協力的
①発言は控え、じっくり話をきく。
間(ま)を我慢して、お客様にお話ししていただきましょう。
②個人的な話題は避け、ビジネスライクな会話から始める。
世間話は不要です。
③大げさな話はしない。詳しく丁寧に説明。
「最高に強いです。」とか「一番いいです。」という話し方は通じません。詳しく丁寧にデータで説明。
④プレッシャーをかけない。論理的に説明する。
ドライビングと同じでPREP法で話しましょう。
・時間の使い方: 時間に厳しい。じっくりと進める。
①お客様の関心のないことには時間を使わない。
②じっくり考える時間を提供する。
無言の時間も我慢しましょう。お客様が考えている場合が多いです。
③決してせかさない。期日を約束する。
答えはお客様が出します。急かすのはNGです。非常にまじめな方が多いので、期日を約束すれば期日までしっかり回答を用意していただけます。
・意思決定の方法: 事実を確かめ、論理的に考える。リスクを避けようとする。
①事実やデータ収集に協力する。
②リスクや不安を解消する。
③詳細な資料を提出する。
見積もりなどは細かく詳細にまとめると効果的です。
アナリティカルまとめ
慎重で真面目で、データを重視するお客様です。頭の中でしっかり考えてから行動するタイプですので、会話の際は少しゆっくり話したり、間をおいて話すのか効果的です。アポなし訪問は絶対NGです。キャンペーンは効きづらいです。
エクスプレッシブ
直感型
- 自分の意見を主張し、感情も素直に表します。喜怒哀楽のどのような感情も抑制せずにまわりに伝えます。
- 行動的で力強く、存在を主張します。いつも率先して人と交流しようとします。
- 陽気で明るく、目立ちたがり。人から認められたい承認欲求が強い。
- 行動的で興奮しやすい側面もあり、競争的で行動も早いので、必要な事実を収集・検討する前に行動を起こしてしまうこともあります。
直感型で、熱しやすく冷めやすいタイプです。
戦国武将でイメージするなら 、豊臣秀吉タイプです。
エクスプレッシブのお客様への対応
・接し方: 話好きで、温かみがあり、親しみやすい。負けず嫌い。
①個人的に親しくなるようにする。
速訪や夜訪もOKです。頑張っている姿を評価してくれます。
②相手に関心のある話題を選ぶ。
自身の興味がない話題では盛り上がれない。
③一致点を探し、議論を避ける。
負けず嫌いな側面があるので注意が必要です。
④相づちを打ち、熱心に聞く。
熱心さに弱い面があります。
⑤夢や目標を支持する。
・時間の使い方: 時間にはあまり厳しくない。気が乗れば仕事は早い。
①相手の意欲を高める。
②期日を約束する。
③仕事を迅速に進める。
時間にはあまり厳しくありませんが、熱しやすく冷めやすいので、途中で意欲を高めたり、次のアポンとをしっかりとったり、物事を迅速に進めることが重要です。
・意思決定の方法: 人の意見に左右されやすい。リスクを負うことを気にかけない。
①人の意見や事例を紹介する。
一般的な事例を押さえたうえで、あなただけにというオンリーワン要素を入れると意思決定がスムーズになります。
②お客様にとってのメリットを強調する。
④インセンティブを提供する。
おまけや限定などに弱い面があります。
⑤熱心に勧める。
エクスプレッシブまとめ
熱しやすく冷めやすい。行動力があるので気に入ると即決してくれることもあります。相性が良いと、短い期間で契約にいたることができるお客様です。オンリーワンやおまけ、限定など「あなただけ要素」に弱いタイプです。提案の中に「あなただけ要素」を盛り込みましょう。
契約後、紹介が出やすいのもエクスプレッシブのお客様の特徴です。
エミアブル
温和型
- 感情を率直に表すが、自分の考えを伝えることには控えめで、人に対して愛想が良く、協力的。
- 形式ばらず、すぐ見打ち解け、個人的な親しい関係を造ることに興味を持ちます。
- 気さくで気配りがあり、人間関係を大事にします。人の意見に耳を傾け、その人のアイデアを尊重しようとします。自分の意見を押し付けず、逆に意思決定に人を参加させようとし、人のことを気遣います。
- 良好な人間関係を大切にしすぎて、冷静な状況判断をしづらくなることもあります。
温和型のタイプです。人の意見を尊重し、自分の意見を表に出すことには控えめです。
戦国武将でイメージするなら 、徳川家康タイプです。
エクスプレッシブのお客様への対応
・接し方: ・接し方: 話好きで、温かみがあり、親しみやすい。協力的。
①個人的なことに興味を示す。
世間話や個人的な話に興味があります。こちらの事もオープンにしていった方が良いので、自己紹介シートは有効です。
②相手の感情に共感する。
③話をじっくり聞く
話は長くなりがちですが、じっくり聞きます。
④進んで協力する。
・時間の使い方 :時間にはあまり厳しくない。スローペース
①時間をかけて親しくなる。
何度もお会いすることで打ち解けます。アポなし訪問もあまり気にしないので、どんどんタッチ件数を増やしましょう。
②じっくり考える時間を提供する。
スローペースの検討になるので、あせらずじっくり検討してもらいましょう。
③せかさない
・意思決定の方法:人の意見に左右されやすい。リスクを避けようとする。
①事例や人の意見を紹介する。
「皆さん、こうされていますよ」などのワードが効果的。優柔不断で迷いやすいので、一般的な行動を紹介します。
②リスクや不安を取り除くようにする。
③保証や確証を与える。
保証やアフターフォローなどの説明は必須。完成宅案内などでOBのお客様に会っていただくのも非常に効果的です。
④あなたが協力することを強調する。
「私が引き渡し後もずっとあなたの担当です。」「私が、ずっとすべての窓口です。」など、あなたがお客様の家づくりに全面的に協力することを伝えることが大事です。
エミアブルまとめ
感情表現は豊かで、自己主張は控えめ。愛想が良く協力的。個人的に一番の相談相手になることが重要です。契約を急がせるようなプレッシャーは避けましょう。最終局面で、突然新しい登場人物によって契約がひっくり返されることもありますので要注意です。ドライビングの上司の同行はNGです。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
お客様のソーシャルスタイルを意識することで、お客様の望んでいることや次の行動を予測することができます。またどのように行動すればお客様が喜ぶかも判断することが可能になります。
自分をコントロールして、お客様に満足していただける行動をとった結果、お客様に受け入れられ、信用されて親しい人間関係を作り出すことができます。
住宅営業マンには必須のスキルだと思います。
ソーシャルスタイル理論は非常に奥が深く、実践しているうちにノウハウが蓄積されます。
是非、今日・明日からはじめてください!
営業が楽しくなります!
最後までお読みいただき、誠にありがとうございます。
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